どうも。
ロボコップの映画・ドラマ・アニメをすべてコンプリートしている野川太郎です。
今日は、傑作映画【ロボコップ】について熱く語っていきます。
ロボコップの大まかなストーリーの流れ
近未来のアメリカ・デトロイト
大企業であるオムニ社がデトロイトを完全に牛耳っており、警察官すら会社の傘下にしています。
けれど、凶悪犯罪が後を絶えず、また警察官もストライキ状態。
そのため、オムニ社は治安維持のためにロボットによる治安維持を提案。
オムニ社は殉職した警官アレックスマーフィーをロボコップとして復活させます。
記憶は消され、プログラム通りに動き、デトロイトの犯罪者を一掃していきます。
けれど、次第に人間だった頃の記憶を取り戻し、自身を死に追いやった犯罪者たちを追い詰めます。
そして、真の敵が実はオムニ社内部にいることが判明し、対峙していく物語。
ストーリーはこんな感じです。
起承転結がしっかり構成されており、テンポも良く控えめに言って最高傑作です。
ここからはロボコップの魅力をストーリー順に語っていきます。
ロボコップ開発の経緯
オムニ社による治安維持のために役に立たない警察官の代わりとしてまずED209というロボットが開発されました。
このロボットの登場シーンからすでに名シーンです。
今でいうAI的なロボットとして登場し、試験運用も兼ねて会社のプレゼン会場で披露されることになります。
けれど、見事に暴走してしまい、若手社員を一人銃殺してしまうのです。
※このシーンはかなり暴力的ですが、同時に魅力的でもあります。
このシーンのすごいところは社長の前で副社長が主導で進めていたED209が見事失敗し、死傷者すら出ていながら、副社長は一切気にも留めていないところです。
いかに人の命を軽んじているかを描写しており、役者の演技力もありついつい引き込まれてしまいます。
結果的に別の若手による【ロボコップ計画】がメインとなります。
プログラムだけではロボットをコントロールできないことが描かれており、ゆえに人間の脳みそが必要になったということです。
ここがリメイク版ロボコップとは大きく違う点です。
しかし、このロボコップ計画を主導する若手社員も人間の尊厳を全く気にしておらず、「ボランティアが現れることを願っている」という趣旨の発言をしており、都合よく警官が死ぬことを望んでいます。こちらもかなりクズ。
ロボット計画を進める二人の人間がどちらもクズであり、出世のことしか頭にない当時の典型的なアメリカ人を描いています。
このキャラクターづくりが実にうまく、80年代の映画でありながら現代の映画に全く負けていないことが証明されている映画です。
なぜ、主人公はロボコップになってしまったのか?
主人公はデトロイトの警察署に勤務して早々に事件が起こります。
銀行強盗事件が発生し、主人公と相棒のヒロインが強盗犯たちを検挙するために向かいます。
一方強盗犯たちは金庫を破るために金庫を爆破し、中の金銭が燃えてしまい口論になっていました。
そして、主人公たちと遭遇し銃撃戦となります。
この銀行強盗のリーダー核もかなりの屑で、足手まといになった味方を平気で道へ捨てるクズ。
悪役たちのクズさを残酷な描写を通して見事に描いています。
この映画はかなりのクズが登場し、全員一度見ると忘れないだけの存在感を持っているキャラクターたちばかりです。
主人公とヒロインは彼らのアジトへ向かいます。
ですが、応援が中々来ないのです。
ストライキをしている警官たちが多く、対応できない現状を表しています。
そして、多勢に無勢の中でアジトへ潜入しますが、ヒロインがへまをして主人公は敵に拘束されます。
※ヒロインのヘマはここでは記述しません。ぜひ映画を見てください。
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そして、主人公はまず右手を撃ち抜かれ、もだえ苦しみます。
最後には複数の悪党たちによる無数の銃弾を受けて死を迎えることになるのです。
※このシーンの残虐性は非常に高いですが、同時に名シーンでもあります。
警官を殺すだけなら一発の銃弾で十分ですが、悪役たちは主人公に対し必要以上に銃弾を浴びせるのです。彼らは殺人をなんとも思っていません。全員快楽殺人者と言ってもいいでしょう。
それだけ、デトロイトが腐敗し、とあるヒーロー映画に登場するゴッサムシティもびっくりな世界です。
そして、主人公は瀕死の状態で病院へと運ばれますが、時すでに遅し。
彼は亡くなります。
けれど、そこから彼の新たな人生がスタートするのです。
オムニ社のロボコップ計画の責任者の若者が彼の遺体を入手し、ロボコップとして再設計するのです。
その際、左腕が生体的に助かっていましたが彼は「邪魔だから切り落とせ」と残酷なことを言います。
※ここもまた、リメイク版ロボコップと違う所です。
そして、彼は記憶を消され、プログラム通りに動く最強の警官【ロボコップ】となります。
ロボコップと他のヒーローキャラクターとの決定的な違いとは?
ロボコップはヒーローキャラクターとして確立しています。
けれど、他作品のヒーロー映画とは決定的に違う点があるということです。
それは【絶対になりたくないヒーロー】ということ。
他のアメコミヒーローや日本の特撮ヒーローたちとの決定的な所です。
ロボコップは見た目通りの圧倒的なパワーと防御力、射撃能力等を有しているサイボーグです。
けれど、後に判明しますが彼の真の姿は本当に滑稽であり、また普段は機械に繋がれていないと生きていけません。
会社の所有物であり、人間の要素を持ちながら人間扱いされません。
つまり、ロボコップは限りなく【ダースベイダー】に違いキャラクターであることが分かります。
この2台キャラクターはどちらも機械によって生かされているという悲しい側面があります。
そして、マスクを取った姿はどちらも醜い。
機械に支配された肉体でしか生きることができない
残酷な現実を体現している二人のキャラクター。
だから、ロボコップにはそれだけの重みと深さがあるキャラクターに仕上がっています。
また、デザインも本当にロボットがそこにいるかと思ってしまうくらいの完成度。
役者の熱演もあり、それはもうスーツではない、冷たい金属で覆われた機械なのです。
ロボコップの活躍
プログラム通りに動くロボコップ。
警察署へ初めて訪れたシーンもかなり印象的。
ガラス越しに歩いている異形の姿は圧倒的なプレッシャーを視聴者に与えてくれます。
そして、テーマソング(サウンドトラック)が流れ、ロボコップは車に乗車し、悪を倒しに行きます。
コンビニ店で強盗と戦うシーンでその真価を発揮します。
強盗が放つ銃弾をすべて跳ね返す装甲。
圧倒的な存在感で銃を使わずに片腕で強盗をノックダウンさせてしまう。
また、強姦魔の男二人と対峙した時の彼の射撃能力により、強姦魔の睾丸を完全に破壊します。
強姦魔に対する完全な皮肉な演出のその残虐性。実にお見事。
心神喪失した襲われた女性に対し、機械的な対応をする描写もロボット感を見事に演出できています。
とある会社で従業員を人質にとっている犯人に対して、サーモグラフィーを用いて別の部屋の壁を壊して犯人を拳で投げ飛ばし、ガラスの外へ吹っ飛ばすシーンも最高です。
ロボコップにしかできない戦い方で悪を一掃する演出が本当に面白い。
ロボットゆえの鈍い動きが逆に恐怖感を増しているのも実にうまい。
この映画はSFロボット物というより、ヒーロー映画の側面が非常に強い映画となっています。
ロボコップの記憶がよみがえる
オムニ社はロボコップの生前の記憶を完全に消したと思っていました。
けれど、それは間違いであり、その伏線はすでに序盤から用意されていました。
初めて警察署を訪れた時の射撃訓練所で彼はロボットには必要のない銃を回す癖がありました。
これは主人公が生前、自身の息子に自慢するために身に着けた癖であり、彼が人間の要素、つまり記憶が完全には消去されていないことへとの伏線となっていました。
そして、警察署のメンテナンス室で待機していた時に彼は突然暴走しはじめます。
それは自身が銃で虐殺される映像を夢として見てしまったことから始まります。
彼はそれから、夢で見た映像を頼りに自分の正体を知ろうと動き始めるのです。
プログラムを超えて自我を取り戻す熱い展開を迎えることになります。
そして、自分の存在をデータバンクから知り、生前に家族と住んでいた場所へと向かうロボコップ。
そこはすでに売りに出されており、ロボコップは人生を失ってしまったことに絶望します。
このロボコップは口元だけがあえて開いたデザインとなっています。
その理由は彼の感情を表現する唯一の場所として設けられたと私は考えています。
顔がすべて覆われているなら、彼の感情は全く読み取れず、視聴者は共感できません。
この口元だけ開けたデザインと、銃回しの癖が彼の人間性を示している重要なポイントなのです。
彼の復讐劇が開始される
やられたらやり返す。倍返しだ。
と言う感じで、ロボコップは自身を殺した犯人たちを捕まえに向かいます。
そして、アジトである違法薬物の工場へと向かいます。
一方その頃、主人公を殺した悪役たちは違法薬物を楽しそうに製造しながらタイガースの試合の話などをしていたりと実に暢気なものです。彼らがいかにクズかを象徴しているシーンです。
そこへ、封鎖された扉をこじ開けてロボコップが参上します。
そして、激しい銃撃戦が開始されます。
この工場襲撃シーンもまた名シーンの一つです。
敵の圧倒的な銃撃を一切受け付けず、正確な射撃とロボット的なユニーク動きで敵を次々の殺していきます(死者数がほとんど)
この映画は銃撃シーンに必ず血しぶき演出を行います。
ゆえに、この激しい戦闘シーンが残酷でそれに比例して見ごたえのある映像かを体現しています。
そして、ロボコップは自身を殺した悪党を捕まえることに成功します。
※その際、彼をぼこぼこにしているシーンも最高です(描写はかなりグロいです)
ピンチに陥るロボコップ
ロボコップは工場襲撃時に、真の敵がオムニ社の副社長であることを知り、逮捕へと向かいます。
けれど、ここでロボコップに始めてピンチに陥ります。
彼は人間の心を残していましたが、基本的にはプログラムで動くマシーン。
実はオムニ社の社員には抵抗できないようプログラムされているという落ちがありました。
そのため、彼はオムニ社の副社長を逮捕できず、しかもそこへED209がやってきたのです。
このポンコツロボットが、見事に番犬になっていたことにも驚きました。
けれど、基本的に火力はロボコップより上であり、ED209の攻撃でロボコップは致命的なダメージを受けます。
しかし、ED209というロボットは視聴者の期待を裏切りません。
彼は大型と独特の設計ゆえに階段を下ることができなかったのです。
どこまでもポンコツな所が逆に可愛いです(笑)
しかし、ピンチはさらなるピンチを迎えます。
濡れ衣を着せられたロボコップは味方である警官たちの銃撃を受けてしまうのです。
本来味方である警官・しかもストライキを起こしている彼ら。
彼ら警官のために戦っていたロボコップが彼らによって破壊されそうになる。
実に皮肉が効いています。
先の攻撃で装甲が弱体化しており、更にダメージを受けるロボコップ。
そこへロボコップが主人公アレックスであることを見抜いていたヒロインが救出するのです。
ロボコップの反撃
ロボコップはヒロインの助けもあり、最低限の修復を受け武装も入手。
そして、人間性を完全に取り戻したロボコップは自らの手でヘルメットを外すのです。
その姿はとても醜悪な物でした。
顔はある程度残っていましたが、頭皮はなく、禿げている。
ほとんどが機械で出来ているその姿に、主人公ロボコップは深い絶望を受けるのです。
※このシーンはスターウォーズのダースベイダーが息子の前でマスクを外す時の衝撃と同じです。
一方その頃、権力により釈放された悪党たちがロボコップに復習するために戦いを挑みます。
ロボコップも彼らと戦う準備をします。
ここでポイントなのが、ロボコップはマスクを外して戦うのです。
戦略的に見れば、マスクをつけた方が良いはずですが彼はあえてそれをしません。
これはロボコップとして戦うのではなく、アレックスマーフィーと言う一人の警官として戦う決意の表れであり、見事な演出だと思います。
ここがダースベイダーにはできなかったことです。
※私はスターウォーズファンです!
悪党たちは一人ずつ主人公によって仕留められます。
けれど、単純に銃殺されるわけではありません。
ここは制作陣のアイディアがフルに発揮されたシーンの一つ。
単純に銃殺される映像では焼きまわしと同じです。
彼ら悪党にふさわしい死がそれぞれに用意されている
この映画の残酷さが伺えます。
また、真の敵である副社長やED209を一体どのように倒すのかも必見です。
ここではあえて投稿を控えることにします。
ぜひ、本作を視聴することを強く願います。
総括
本作は各シーンに無数のアイディアが盛り込まれ、起承転結がバランスよく演出できた傑作映画となっています。
ロボコップのデザインがダサいという方々もいますが、それは本作の良さを理解していない証拠です。
つまらない偏見で傑作映画を見逃すことがないことを祈ります。
今日は以上です。
ご視聴ありがとうございました。
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