塾講師の日常 マレフィセント&ハムスター

塾日記

どうも。
3回目のワクチン接種券が届き、予約が済んだ男、野川太郎です。
今日は2017年度で夏期講習後に私が指導した二人の生徒についてかたっていきます。

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夏期講習後に塾に入会する二人の生徒

夏期講習時には進学校クラスのメンバー通称【アベンジャーズ】たちが個性を占めていましたが、実業高校志望の一人に実は個性を隠し持っていた生徒、通称【マレフィセント】がいました。

その生徒がマレフィセントと呼ばれた理由は服装がマレフィセントみたいな黒づくめだったからです。黒色で毛皮のようなモフモフした服装で身だしなみ等に気を遣うタイプの生徒でした。

また、勉強は苦手ではありましたが、要領の良いタイプの生徒で学校では何かの行事に駆り出されるほどでした。

マレフィセントは夏期講習時には表立った行動はしませんでしたが、講習修了時に塾に入会することが決まり、担当が私になりました。

また、夏季講習には参加していませんでしたが、マレフィセントの親友で同じ中学校に通う通称【ハムスター】も入会することになります。

二人の両親が仲が良く、マレフィセントのお母様がこの塾をおススメしてくれたそうです。

2人とも、実業高校志望でありましたが、倍率の関係上、志望したコースに入れるかが重要でした。

マレフィセントとハムスターの学力は・・・・

二人の学力は実業高校に入るには十分でしたが、それだけでした。
マレフィセントの方が合計点数が高く、数学等の基本計算等は解答できていましたが、ハムスターはそれすらできていませんでした。

そして、何より私が驚いたのは【理科】が二人ともできないということでした。

塾に通う生徒の大半の悩みは 数学・英語 が一般的です。

けれど、ここ最近、理科ができない生徒が増加傾向にありました。
※この現象が現在も進行中であり、個人的にかなり危惧しています。
この原因の一つは二人が通っている中学校の理科の授業が原因でした。

担当の先生が理科の授業を【ビデオ授業】にしてしまったことが原因の一つです。映像を生徒に見せてそれで授業を終わりにするそうです。

私は映像での理科の指導方法は間違いっていないと思います。けれど、それはある程度理科を学び、分からない所や仕組みを理解していない生徒に対し有効であるため、初心者の生徒に対してはあまり有効ではありません。

彼女らは例に漏れず、理科での点数が半分もいかないという事態に陥っていました。

今までは、理科や社会のような暗記系は50点以上は行くだろうと相場が決まっていました。けれど、この時期からその常識が通用しなくなってきました。

また、彼女らはビデオ授業に加えて、課題提出がないことが判明しました。つまり、理解できないままビデオを見せられ、それでおしまいという理科の授業。明らかに担当教師の職務怠慢でした。

これは私の推測ですが、受験倍率が低下したことがこのような事態を生んだと私は考えています。

もちろん、彼らは英語も壊滅的でした。
2人とも英語の文法はめちゃくちゃ、理科や社会の暗記系の知識不足、そして数学の軽めの応用問題に対して致命的に低い学力をたたき出していることが判明し、私は頭を抱えることになりました。

まずは、数学からスタート

私は初めての生徒に対し、必ず数学から指導を行います。
数学は9割の生徒が悩む教科であると同時に、実は得点を上げやすい教科でもあります。入試や実力テストでの点数の取り方が数学にはあり、基本的な問題等が解ける生徒は実は6割くらいは簡単に取れる科目と言っても過言ではありません。

基礎計算力や簡単な図形問題、確率、データの分析などは大した公式はありません。また、皆嫌いな関数系も計算自体は四則演算。それゆえ、激ムズ応用問題は捨て、取れる問題を確実に取るようにすれば数学弱者でも対応できます。

また、中学数学の基礎計算力等ができていないと、高校数学で苦労することは明白です。

そのため、数学はよほど得意な天才肌な生徒出ない限り、全員の生徒にまずは数学を勉強させるのが私の方法です。

そして、二人の数学力を調べた結果、マレフィセントは基礎計算力はありますが図形や応用が苦手。そして、ハムスターに関しては基礎計算すらまともに出来ない状態でした。

これはかなり問題でした。二人とも数学の学力は低いのですが、マレフィセントの方は基礎計算力だけは身についていたのに対し、ハムスターは基礎すらできていなかったのです。

基礎計算ができる人とそうでない人には実は想像以上に差があり、1,2週間でどうにかなるものでもありません。

そのため、二人の計算スピードの違いにより、同時指導が少し難しくなりました。

けれど、マレフィセントの方も基礎計算のみができるだけで比例・一次関数・図形等の問題に対しては苦戦を強いられており、どっちもどっち状態でしたが・・・・

2人とも実業高校であり、受験勉強向きの高校ではなかったことから、徹底して基礎問題(簡単な計算問題や図形問題)を勉強させることにしました。

つまり、難しい問題を一切解かせない方向で指導することになったということです(涙)

数学の次に理科を勉強させる

本来なら英語を勉強させるべきところでしたが、私はあえて理科を勉強させました。理由としてまず二人とも理科が壊滅的だったことと、短期間で得点を上げることが可能だったからです。

2人とも理科は半分に届いていませんでした。逆に言えば、理科は半分は確実に取れる教科なので、どうにかして、点数を伸ばしたかった。

また、二人の中学校で理科をしっかり勉強できていない経緯もあり、サポートする必要もありました。

けれど、夏季講習で登場したクネクネと同様にマレフィセントが太陽は【東から北に移動する】という珍解答をしてしまうなど、地球の原理にそぐわない解答ばかりしており、かなりの重症具合だったことを今でも覚えています。

2人のメンタルの弱さ

二人とも、勉強に対するモチベーションがほぼ皆無でした。まず、ハムスターに関しては数学ができないことへの嫌悪感に苦しんでいました。

単純に計算練習不足なだけで、計算と言う基礎練習をサボっただけのことです。

一方のマレフィセントは親友のハムスターがいないと急に陰キャになり、豆腐メンタルになることがありました。

二人そろうと、元気になるところが中学生らしいというかなんというか・・・・・

総合的な学力はマレフィセントの方が上であり、進学校も入学できる可能性を最初は感じていましたが、このようなメンタルでは難しいと再認識させられました。

勉強は才能・努力・メンタルの3つが大切なのだと痛感しました。

二人の学校にも問題が・・・・

実は、二人が通っている中学校は基本的に学力が高い生徒が多いことで有名でした。理由として、学校の教師がその中学周辺に家を建て、その子供たちが通うという背景があったからです。教師の子供は基本的には学力は高いのでしょう。

ですが、彼女らの代は少し問題があったそうです。数人の生徒に素行問題があり、窓ガラス等がよく割られていたそうです。この中学では珍しいことでした。

ジャイ子の課金中ではそのようなことがよくあるらしいのですが、二人の中学校は若干荒れていたそうです。

また、理科の授業が残念ですから、その中学校の実力テストの平均点数も下がっていました。

二人を取り巻く環境が勉強に適さなかったことも学力に影響したのだと思います。

マレフィセントの人間関係が複雑

マレフィセントは自身の中学校の話をよく私にしてくれましたが、中々生々しいことを言ってきました。

マレフィセントの彼氏の話やお馬鹿な男子生徒の話、女子同士のねちっこいイザコザ等々

彼女の人間関係の話は面白いのですが、勉強とは一切関係のない話ばかり。マレフィセントがいかに勉強以外に力を注いでいるのかよくわかりました。

くだらない人間関係ばかり気にしていることが 学力低下につながっていることに本人が気づいていないことが非常に残念ではありました。親友のハムスターも彼女の話に少し飽きれている表情を浮かんでいたのを覚えています。

以上が彼らの話になります。

彼女らはどうなったのかについては次の投稿でお話ししたいと思います。

つづく・・・・・

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