映像研には手を出すな 【映画】【実写版】【大爆死】【ネタバレ】【考察】【感想】

映画考察

どうも。

映像研には手を出すなのアニメと実写ドラマを両方を攻略した男、野川太郎です。

今日は、映像研には手を出すなの実写映画の考察レビュー
そして、なぜ映画が大爆死してしまったのかについて考察してきます。

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ストーリー解説

アニメ監督の才能のある陰キャコミュ障の浅草みどり(通称 浅草氏)

読者モデルで家族そろって知名度のあるアニメーター志望の水崎つばめ(通称 水崎氏)

合理的で利益を生み出す活動を好む映像研の頭脳、金森さやか(通称 金森氏)

この三人が高校内でアニメ制作をするために映像研を立ち上げ、
そして、最強の世界(アニメ)を描くために奮闘する物語です。

この作品はアニメ制作のリアルをテーマとしています。

私たちが気軽に視聴しているアニメを制作することがどれほど大変かを描いており、アニメ制作を部活動にして、視聴者に訴えかける作品になっています。

もし、アニメーターや監督志望の方がいるなら、映画なりアニメなり原作のどれかを一度は必ず視聴することを強く勧めます

キャラクターたちの個性の隠されたテーマ

この映画はアニメ制作のリアルを描いていますが、特にリアルな描写は他でもない主人公3人組です。

浅草氏は圧倒的な想像力(妄想)でアニメの世界を創造していきます。けれど、彼女は芸術肌ゆえにそれ以外のことは何のできません。

人とコミュニケーションをとることが大の苦手であり、この描写はまさに日本で働いているアニメーターたちの人物像を容易に想像がついてしまう描写がまさにリアル

あの大物監督とかもこんな感じなのかな~と勝手に想像してしまいます。

浅草氏の映画の役割は表向きはアニメ制作の頭脳、裏テーマはアニメーターの人物像の投影、浮彫にすることが存在目的とも言えます。

次に水崎氏ですが、彼女は逆に勝ち組のお嬢様。ですが、彼女は両親の反対を押し切ってアニメーター志望です。一見すると、リアルではありません。

ですが、彼女の作中の役割は【宣伝】なのです。

アニメーターとしての素質はもちろんありますが、本作での彼女の真の役割は読者モデルと言う立場を利用した宣伝係としての一面を持っています。

つまり、彼女の存在の裏テーマは【宣伝・商品を知ってもらうこと】がいかに重要かをアピールするための存在なのです。

そして、映像研そのものの頭脳にして、スケジュールや予算の見積もりなどをすべて一人でこなす女社長、金森氏の存在です。

彼女はアニメを描くことはできません。彼女は商売の才能があり、映像研をただの部活としてではなく、営利目的の場所として利用しているのです。

彼女の行動は会社の経営そのものです。

つまり、アニメ会社だけではなくすべての企業が行っている活動を描く役割を担っています。

アニメ制作はアニメーターだけでは絶対になしうることはできない。それ以外の企業努力をリアルに描くために用意されたキャラクターなのです。

金森氏の裏テーマは「会社経営」です。

この3人の個性豊かでかつリアルすぎるアニメ制作の裏側を描いたこの物語は秀作と言えます。

ロボット研究会とのやりとり

3人はロボットアニメを制作することになり、学校内にあるロボ研を訪ねます。

しかし、ロボットは展示してあるだけで動かくことができず、ただの置物状態。

しかし、ロボ研のメンバーはこれで満足している描写が映画内に描かれています。

実はここもかなりリアルな描写なのです。

ロボ研たちはロボットのロマンを感じています。けれど、それだけなのです。
けれど、映像研の3人はロマン以上のものつまり、限りないリアルを制作しなくてはなりません。

3人はアニメと言うフィクションを描くためにロボットについて現実的な情報を入手しようと試みます。
けれど、ロボ研たちは彼らの現実的な質問にうまく返答できません。

このシーンの裏に隠されたテーマは、ずばり【リアル】

アニメはフィクションです。だからこそ、現実のものを実際に見て観察することが大切だということをこの映画は教えてくれました。

これはロボットアニメを手掛けてきた人たちが現実的なものからフィクションを作り出していることを意味しています。

妄想からフィクションへ ではなく、現実の情報⇒フィクションへ これが正解なのです。

このロボ研のシーンでアニメーターたちがいかに現実を意識してアニメ制作をするかを理解できました。

このシーンはかなり評価できます。

原作・アニメの世界観を実写で完全再現されている

この映画の評価ポイントの一つに原作・アニメの世界観を完全に描かれていることです。

本作の原作やアニメに登場する学校が摩訶不思議。建築場所もそうですが、内部システムも奇想天外

その一例がユニークな部活動が描かれていることです。

炭水化物研究部や音響部など、現実的でない部活動が原作等で描かれていました。

そして、それを実写では数を増やし、ますます意味不明な部活動が数多く描かれています。

漫画的演出を実写映画でする場合、向き不向きが出ると私は思っています。
※つまり、実写化すると陳腐になるかどうか

ですが、本作はむしろそれらを拡張し、前面に押し出す形で映像化に成功しました。

私はアニメは視聴し、原作は未読です。
アニメでも意味不明な部活動がいくつか登場していましたが、映画はその部活動を徹底的にシーンに組み込み、映し出していました。ここがアニメと実写映画の大きな違いです。

しかも、そのシーンが滑ることなく多くの出演者を用意し映像化しました。

そして、一見どうでもいいような部活動が後に映像研を手助けする展開は中々いいものです。

この演出を通して、私はこの学校こそ最強の世界であると思います(笑)

部活動以外にも原作・アニメの舞台を事細かく映像化し、破たんすることなく世界観を完全再現できていました。

ここはかなりの評価ポイントです。

主人公3人の演技が癖になる

主人公の3人は某アイドルグループ所属のタレントたちです。

ですが、アニメチックなキャラクターを3人とも見事に演じ切ってくれいました

アニメ監督の浅草氏の演技が特に癖になります。

アニメ監督独特の個性を引き出し、完全に浅草氏が完成されていました。

読者モデル設定の水崎氏の世間知らずのお嬢様演技も鼻に着くこともありませんでした。

女社長の金森氏の演技も、女社長顔負けの威圧的でかつ合理的な思考ができる女性を役者さんが演じることができていました。

私はアイドルが演技ができるのか?と疑問と偏見を持っていましたが、本作でその偏見は打ち砕かれました。

ひと昔前だったら本当に棒読み演技だったはずのアイドルたちですが、現在のアイドルに限らず若手たちは基本的に演技力が高いと私は思います。

この3人のキャラクターが基本的に光っているのが本作の魅力の一つであると考察しました。

なぜ、映画は爆死したのか?

私個人として、この映画を大いに楽しむことができました。

この映画は単純な学園部活物ではありません

リアルなアニメ制作を非現実的な世界観の中で描いた映画であり、評価されるべき映画だと私は考えています。

けれど、決して100点満点の映画ではないことも事実です。

では、この映画の何がいけなかったのかについて考察していきます。

①実写ドラマから続きは劇場への映画展開に問題あり

本作は実写ドラマからの続編映画です。

つまり、実写映画単品では映画としての集客力が低いということです。
※私は実写ドラマから見ていました。

実写ドラマを見ていない人からすれば、この世界観を映画だけで理解することはかなり困難だったと思われます。

一応、映画開始までに簡略的なドラマのあらすじを紹介してから本作が始まります。

映像研のドラマ未読者向けの演出ですが、正直限界があります。

本作は実写ドラマの延長線上の作品であるため、実写ドラマの視聴は絶対なのです。

結論として、実写ドラマから映画を視聴した私のような方々は大いに楽しめる作品でしたが、それ以外の方々には難しかったのではないでしょうか?

しかも、映像研には気をつけろという知名度がファン層以外には定着していなかったことも原因の一つでしょう。

まさに、【宣伝は大切】を怠った結果とも言えます。

②主役の3人のキャスティングについて

本作の主人公たち3人は全員某アイドルに所属している方々です。

私はアイドルに興味がないため、演技ができていればそれでいいという考え方です。

本作品の視点から言えば、某アイドル3人の起用は私は正しかったと思います。

アニメで見たキャラクターを彼女らは見事に演じ切っていました。
キャラクター一人ひとりが輝いていました。

つまり、作品的にはミスキャストではなかったということです。

では、3人の何が原因だったのか?

それは3人が某アイドル所属だからが一つの原因であると考えます。
※某アイドルを否定しているわけではありません。

棒アイドル主演だから【アイドル映画】というレッテルを張られてしまったのではないでしょうか?

これが私の仮説であり、結論でもあります。

主役の3人は人気アイドルなのでしょうが、世間一般に顔がどこまで知られていたか?
そこがポイントの一つです。

アイドルが多すぎる現代において、この人誰?が大半の意見ではないでしょうか?

私も正直、彼女らの本名は知りません(笑)

もし、無名の新人役者たちが主役を構えていたら、宣伝力は落ちるでしょう。
けれど、少なくとも【アイドル映画】という認識はないでしょう。

むしろ、若手の新人たちを見たいという気持ちが勝るかもしれません。

ですが、アイドル映画と言うレッテルを張られたとしたら、アイドルのファンしか映画館に足を運ばないでしょう。

何も知らない人が、この映画を見てもらうまでの道のりがとても難しかったのではないでしょうか?

フラガールのように口コミで人気が広まるだけのポテンシャルのある映画だと私は思っています。

ですが、口コミで広がるだけの来場者数すら確保できていなかったことが敗因の一つでしょう。

③アニメ制作描写より世界観の描写に偏ってしまった

本作はその世界観を最大限に映像化することに成功しました。

そのために数多くの意味不明な部活動を多数描いています。

また、本作の悪役的ポジションの生徒会たちの描写も事細かく描いています。

逆に言えば、本作品の本来のテーマであったアニメ制作のリアルの描写が少なかったと記憶しています。

映像研+ヘンテコ部活動 VS 生徒会 の描写ばかりが必要以上に描かれ過ぎた感が拭えないことは事実。映像研たちが生徒会に対抗して立てた作戦もツッコミどころがあることも確か。

まして、映像研には気をつけろを初めて視聴する方々からすれば「何だこの映画?」になってしまうことは容易に想像がつきます。

もちろん、生徒会との対立はアニメ通りであり、若干実写オリジナルが入っているくらいです。
実写映画で暴走したというわけではないのであしからず。

もう少し、アニメ制作のリアルを描写するシーンが多くても良かったのかもしれません。

そうすれば、初心者の方にも楽しめてもらえたのではないでしょうか?

④王道の学園部活物ではないから

本作は、徹底したアンチ王道作品だと考察しました。

主人公は3人組の女子高生。運動物でもなければ大会出場物でもありません。そして、イケメンが登場するありきたりなラブストーリーもありません。

アニメ制作に人生をささげた女子高生たちを徹底的に描いた映画なのです。

皆で力を合わせて全国大会優勝だ!おうー】的な演出は皆無です。

部活動に高校生活をささげた作品ではなく、人生をささげた3人組なのです。

だから、私は本作を高く評価しています。

ですが、一般大衆向けの作品かどうかは別です。

本作は、世界観は徹底的にふざけていますが、アニメ制作に対してはかなり真面目に描いています。

原作・アニメに忠実、いやそれ以上にしようとしている制作陣の心がけを強く感じる本作

ですが、そこが受けの悪かったところだったのかもしれません。

⑤有名女優の客寄せパンダ感

予告編でも、とある有名女優が映画オリジナルキャラクターとして出演しているシーンがあります。

私はその予告編を見た時、心配したことがありました。

ただの客寄せパンダじゃないだろうか?と

これは長年映画を見ているから予想できたことです。

しかし、百聞は一見に如かず ですから私は映画館で本作を視聴しました。

結論として、見事に客寄せパンダレベルのキャラクターに仕上がっていました。

映画オリジナルのこのキャラクターの存在意味が見出せないくらい意味不明でした。
※悪い意味で意味不明です。

映画の宣伝を考えれば当然のゲスト出演ではあるでしょう。

けれど、その役割が本当に意味不明。

予告編では【何かキーとなる匂わせ演出】でしたが、本当に必要のないキャラクターでした。

完成度が高い映画なだけに、このキャラクターは完全に蛇足でした。

ここだけは擁護できないシーンでした。

⑥エンディングが不満

完全に個人的な見解です。

アニメのオープニング映像は3人がヘンテコな踊りをしているものでした。

私はこの完成度の高い3人のキャラクターでアニメのオープニング映像のような踊りを実写化してほしかったと思っています。

ですが、結局のところ。3人はアイドル。

エンディングはその有名アイドルの曲が流れる展開。

曲の感想は控えますが、個人的に残念でした。

3人があのヘンテコな踊りをしたら、エンディング映像もかなり盛り上がったのではないでしょうか?

最近の日本のドラマもエンディングで踊る映像が流れることもしばしば。

ここは映画の出来とは関係ありませんが、個人的にがっかりのシーンでした。

総括

まずは、実写ドラマを見ましょう。

話はそれからです。

実写ドラマから完成度は高いため、ハマる人が多く現れると思います。

実写ドラマで世界観を学んだ後に映画を視聴することを強く勧めます。

今日は以上です。ご視聴ありがとうございます。

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