どうも。
ゴールドコーストでダラダラワーホリ生活を送っている野川太郎です。
暇なので、自己満足で過去に見た映画評論を書いてみました。
今日はX-MEN アポカリプスの感想を書いていこうと思います。
この作品は、日本に居たころ映画館で一度鑑賞。また、ゴールドコーストに滞在中に図書館でDVDを借りて英語勉強代わりに鑑賞しました。
なにぶん、このシリーズは大好きなので(笑)
ネタバレ注意です。
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監督はもう描きたい物が無いことがわかる映画
点数は50点
結論から言えば、【監督はもう描きたいものがないんだなぁ~】と思わせる映画でした。
前2作、ファーストクラスとフューチャーパストは【傑作】でした。
ファーストクラスはXMENの要でもあるプロフェッサーXとマグニートとの出会いと別れ、XMEN誕生秘話が描かれていました。
フューチャーパストはXMEN前作の俳優陣たちとファーストクラス新俳優陣たちのコラボ、ターミネーター式タイムスリップ物を描きました。
今回の作品の売りは、最強アポカリプスの復活
そして、XMEN主要キャラだったジーン、サイクロップス、ストームの集いが描かれてはいます。
ですが、それだけです。
不快テーマもなければ、強い思いもありません。
CGと派手なアクションに包まれた中身のない映画でした。
では、そうなってしまった考察を上げていきます。
悪役の重要さを教えてくれる映画
肝心のアポカリプスの行動そのものが過去2作の悪役たちに比べ、はるかにつまらない。
ファーストクラスはセバスチャンショウが世界大戦をもくろむ典型的かつ最強クラスの悪
フューチャーパストは未来では究極の差別兵器センチネルがミュータント根絶をし、過去ではマグニートがまたド派手なアクションで大統領とセンチネル開発者を襲撃する二重構造での戦い。
しかし、今回のアポカリプスは自分たち悪チームを作り、世界崩壊させること。
※ただしその仕事はモブに堕ちたマグニートにやらせ、自身はプロフェッサーを取り込もうとするだけである。
ここが今回のマイナスポイント。
前2作と比べると、アポカリプスという悪役キャラが非常に薄い
アポカリプスは悪役として魅力があまりになさすぎました。
私は、映画のテーマ・メッセージ性は悪役が伝えるものだと思います。
ファーストクラスのセバスチャンショウは残虐な殺人鬼であり、野心家で自信家のようなふるまいでもありました。彼の行動は結果的にミュータントの存在が政府間で知られ、同時にマグニートとプロフェッサーXの対立を生みました。つまり、差別を生み出したのです。
このカリスマ的な悪役をアポカリプスでは描けませんでした。
前半の話が間伸びしすぎ・話が進まない
彼は最初、人間の奴隷となって生きているミュータントを味方にすることから始まります。それは良いのですが、チーム作りに1時間上映時間を使ってしまったのが欠点の一つです。
これが、作品が間延びした原因の一つ。この作品はとにかく前半話が進まないのです。
ファーストクラスではセバスチャンショウはすでにチーム作りを終えて前半から悪事を働き始めていました。
アポカリプスの能力がよく分からない?かつ魅力が薄い
一般人を砂を使って殺しているのですが、映像的にちょっと理解に苦しむ。ミュータントを取り込んで能力を増やしていくある種最強の能力者のはずですが、映像を見ている限り「普通に倒せそう」と思えてしまいます。
前二作の悪役たちは能力が非常に分かりやすく、同時に恐怖を覚えるほどでした。
どうやって倒すの?
これはターミネーター2の液体金属を見た時と同じ衝撃でした。
ですが、アポカリプスにはその時の衝撃がありません。
テーマであった差別性が薄い
彼が奴隷のような生活を送っているミュータントのために立ち上がり、人間と戦うというストーリーならよかったのですが。
けれど、彼の後半の行動で一番目立ったのは世界滅亡ではなく、プロフェッサーの力を取り込むことでした。
そればかり目立ち、悪役として魅力はなく、また何のメッセージ性もありませんでした。
差別を描いている今までの作品から大きく離れてしまいました。
後、話に上がった世界滅亡ですが、この理由も弱い。
テレビから無数の情報を得た後、【堕落した世界を崩壊させる】という理由からの行動です。
自分が王になりたいだけじゃん! と突っ込みたくなりました。
しかも、手下となり果てたマグニートにアルマゲドンもびっくりなくらい世界を崩壊させ、自分はプロフェッサーを取り込む準備。
一体何をしているんだよ!
世界崩壊シーン致命的なミス
世界崩壊シーンは微量の金属すら自在に操れるようになったマグニートが世界のありとあらゆるものを分解していきますが、ここで致命的なミスがありました。
人が出てこないのです。
物が崩壊されているのに人が出ないので緊迫感が全くなく、面白味に欠けてしまいました。
フォーホースメン(アポカリプスの手下)が無残に人類を虐殺していくシーンなどがあれば、話は面白い方向へ向かっていったかもしれませんでした。
けれど、それもない。
彼らは人をとにかく殺さない。【俺たちが世界を壊す】とイキっただけの子供たちに見えました。
また、フォーホースメン(チーム)を作っていく過程で世界を壊すだけの強い理由を描ければよかったのですが、そこも不完全で弱い。
この作品の一番の戦犯は他でもないアポカリプスです。
XーMENの描き方にの問題あり
では、次にXーMENチームについて語っていきます。
私がまず疑問に思ったのは、XMENチームが基本的に何もしていないことでした。
学園で暮らし学ぶだけの生活。
一言で言えば、XMENをしていなかったのです。
そう、ここがポイントで何もしていなかった=何も描くものがなかったんだなと私は思いました。
ファーストクラスでは戦うチームを作り、フューチャーパストでは酒に覚えれたプロフェッサーが未来からきたウルヴァリンと協力し復活を遂げる
しかし、今回プロフェッサーは平穏な日常を送っていました。
平穏な日常にする必要などなかったはずです。
ミュータントへの差別が緩和されつつある世界なんて盛り上がらない。
演出ミスではないかと思いました。
また、ミスティークは一人で虐げられているミュータントを探し、救っているに対して、プロフェッサーは何もしていませんでした。
何かしてろよ!と突っ込みたくなりました。
やるきねーな・・・・プロフェッサー・・・・いや、監督だよな・・・・
次に、サイクロップス。
XMENゼロウルヴァリンという作品でもサイクロップスは登場しましたが、その時の作品と今作の登場シーンがほとんど同じなのです。
トイレで能力が暴走してしまうのです。
わざわざ違う俳優を用意してまで同じシーンを撮る必要があったのかどうか?
確かに、前作のフューチャーパストの過去改変でもサイクロップスは影響がなかったかのように見えましたが、あまりに芸がありません。
また、サイクロップスの扱い方がこの監督は毎度酷い気がします。
目から光線をただ出すだけでセンスがありません。
この点に関しては、ダークフェニックスの時の方がサイクロップスの演出はうまいと思います。
一方のジーングレイは活躍する場面が多く良かったと思います。
問題は最後のシーンです。
アポカリプスを倒す要因となる彼女ですが、彼女のパワーや演出を理解できる観客は限られていると思います。
サイコキネシスでアポカリプスを完全分解させ、倒すのですが今作のジーングレイの描写で強力な能力を発動する伏せんがありませんでした。
これは3作目のファイナルディシジョンを見ている人なら理解できるのです。
けれど、その作品を見ていない観客では最後のシーンはポカーンでしょう。
ちなみに私は閲覧済みだったため、最後のシーンは感動し、同時に【ダークフェニックス】への伏せんであることも読めました。
ビーストについて毎回思うのですが、一番面白くないキャラクターだと思います。
パワー系キャラですが、ハルクほどの迫力がありません。見ていて少し残念です。
本来ならウルヴァリンがいる方がいいのですが、これは大人の都合でしょう。
ですが、毎回の戦闘シーンが一番地味で迫力も欠ける。正直つまらないです。
クイックシルバーのシーンは傑作レベル
前作に引き続き、クイックシルバーは今回もやってくれました。彼の高速移動シーンは本当に面白く、一番の見せ場であることが言えます。
このシーンを見るためだけに映画を見るべきと言っても過言ではありません。
ですが、マグニートーとの親子関係について、告白シーンを完全にしくじったと思います。
また、ミスティークに告白する意味が分かりません。
初対面の相手になぜ親子であることを告げたのか理解不能です。このサプライズはマグニートーが改心するときに使うべきだったはずです。これは完全に作り手のミスだと思います。
一番の見せ場はクイックシルバーと言いましたが、二番目の見せ場はやはりウルヴァリンの脱走シーンでしょう。
R指定を食らいそうなくらい容赦のない殺戮はたるんだ今作に活を入れる感じでした。
やっぱり、ウルヴァリンがいないと盛り上がらない。
正直この作品に花がありません。ガンダムで言うV字アンテナがないようなものです(失礼しました・・)
マグニートはやっぱり悪役でいるべき!
マグニートに関しては、前半密かに家庭を作って生活しているシーンが描かれています。
しかし、それを見た観客はすぐに気づいたはずです。あ、この家庭もうすぐ終わるわと。
バレバレの演出にあらためてプロットの甘さや作り手のやる気のなさを感じました。
ここからアポカリプスの下僕に成り下がるのですが、話としてはやはり弱い。
わざとらしいですし、そもそも家族を失うきっかけは他でもないマグニートー自身にあるわけですから、感情移入しにくい。
ミュータントへの迫害ではなくただの事故ですし。
本当に今作はメッセージ性の薄い作品に仕上がってしまいました。
総括
話が中だるみし、後半になってやっと動く映画。
アクションシーンはとても面白いのですが、すべて後半に集中しすぎ。
そして、何よりアポカリプスと言うキャラに魅力が無かったこと。
クイックシルバーの演出は最高
ですので、個人的には50点をつけました。
以上、勝手な考察ありがとうございました。
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