ロボコップ 続編 2014 リメイク版  【映画】【ネタバレ】【考察】【感想】

映画考察

どうも。

幼い時、ロボコップの映画・ドラマ版・アニメ版をすべて攻略した野川太郎です。

今日は私の好きな映画ロボコップのリメイク版、【ロボコップ】について考察していきます。

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旧ロボコップとはまさに対象的な映画

リメイク版ロボコップと旧作ロボコップの全体的なストーリー展開はほぼ一緒です。

ですが、細かいシーンが所々全く異なっています。

ここからは、リメイク版ロボコップの大まかなストーリーです。

オムニコープ社は自社の最先端ロボットを開発し、海外の紛争地域で治安維持としてロボットを派遣していました。そのロボットの完成度はとても高く、オムニコープはこのロボットをアメリカにも配置・売買しようと画策します。けれど、ロボットの暴走等を恐れた一部の政治家により、アメリカの治安用ロボットの設置ができずにいました。そんな時、警官であり、正義感と家族愛に溢れた主人公アレックスマーフィーが何者かによって爆発事故に遭い、致命傷を負います。これを知ったオムニコープ社は考えます。ロボットの優良性を示すいい機会として、主人公の肉体をロボット化して救うという名目で彼を利用して自社のロボットの優良性や安全性を証明しようとします。主人公ロボコップは最初、自我を保ち、最初のお披露目に向けて調整していきますが、膨大な防犯カメラからの犯罪情報を処理することできず、感情を抑制し、限りなくロボットに近い状態まで意識を操作され、完全にロボコップとして無事に活躍を遂げるのでした。しかし、感情を次第に抑えられなくなり我に戻ったロボコップことアレックスマーフィー。オムニコープの命令を無視できるほどの自我力を身に着け、自身を殺そうとした犯人および犯罪組織を命令無しで行動し、無事解決しますがシャットダウンされます。これを知ったオムニコープ社の社長は考えました。ロボットに対する肯定派が増加した今、もうサイボーグで維持費等がかかるロボコップは廃棄しようとします。それを知ったロボコップは自身を破棄しようとする社長と対峙し、無事に生存できることになりました。

上記が映画の全体像です。ほぼネタバレです。

主人公が犯罪者によって殺され、ロボコップとして蘇り、自身を殺害しようとした犯罪組織を一網打尽にし、また自信を作った会社の重役と対峙する流れは旧作ロボコップとほぼ同じです。

ですが、細かいシーンでロボコップは旧作とはまったく対照的な描かれ方をされています。

①残虐描写がリメイク版にはあまりない

旧作ロボコップの売りの一つはその残虐性です。R指定レベルでかつ面白いブラックジョークを含んだ演出が売りだったのが前作でした。主人公が犯罪者たちにハチの巣にされるシーンは恐怖と同時に目を見張る名シーンでのありました。

ですが、リメイク版ロボコップにそのようなシーンはありません。
主人公が車の爆破により致命傷を負うシーンがありますが、それくらいです。
このシーンは正直イマイチで、滑稽すぎるとも言えます。

前作とどうしても比べてしまう私としては、残虐描写・暴力的なシーンの不足は刺激不足。

犯罪者を銃で狙撃するシーンでも、電気ショックで行動不能にする優しいロボコップ。
あまり血も出てきません。

ロボコップ制作時も旧作では左腕だけ助かったにも関わらず、邪魔だから切り落とされるなどの演出がされていましたが、リメイク版では無事だった右腕は見事に残っています。

犯罪組織の居場所を突き止め、壊滅状態に追い込むシーンもあまり血のりが飛ばず、実に健康的で正直物足りないです。

ですが、幼い子供に見せるならリメイク版ロボコップの方が健康的かもしれません。

②ロボコップの誕生理由があまりに弱い

旧作ロボコップは最初自動ロボットED209が採用予定でした。けれど、自動ロボットならではの暴走があり、この時点では自動ロボットのプログラム技術が不足していました。そこで、人間の脳みそとプログラムの融合、ロボコップ計画が進行し、成功しました。

つまり、旧作のロボコップは会社にとってどうしても必要だったというわけです。

けれど、本作は完成度の高い2足歩行ロボットやリメイク版ED209が登場し、サイボーグ警官の必要性がないのです。

アメリカでロボット配置ができないなら、ロボット警官でどうだという考え方で誕生しました。

現代のアメリカ社会を皮肉っているのでこれはこれでいいのかもしれません。けれど、ある種リアルな理由でロボコップを作ったのですから、これに対し人権団体等が講義をするシーンがあっても不思議ではありません。けれど、そういったシーンは特になしです。

ここは旧作に圧倒的に劣ってしまいました。

③ロボット感の不足により、ただのスーツにしか見えない

特撮作品で一番大切にしなければならないことがあります。それはいかに作り物を本物に見せようとすることです。

旧作では黒とメタリックなグレーのデザインでしかも重厚感あふれるスーツを役者が装着し、目の前に本物のロボットがいるかのようなデザインでした。

しかも、動きが遅い分、そのロボット感は増しており、特撮映画として名作となった旧作。

では本作はどうだったのかといえば、前半に作られたデザインはとてもかっこよく、旧作のデザインをリスペクトした仕上がりでとても良かったです。

ですが、空気の読めない社長が色を黒に変更した結果、ただのカッコいいスーツに成り下がってしまい、ロボット感を完全に失ってしまいました。

私はこの演出は完全に失敗だったと思います。

④戦闘スタイルの変更

私がリメイク版ロボコップで個人的に一番残念だったところは、ロボコップの装甲のもろさです。

旧作ロボコップは圧倒的なパワーと正確な射撃力、そして銃弾をまったく受け付けない防御力を有していました。犯罪者が銃弾を放ち、その銃弾がロボコップの装甲に命中した時の火花が最高なのです。

いくら銃弾を受けても無傷。それがロボコップだったはずです。

しかし、本作の戦闘スタイルは対照的

銃弾を受けずに、早打ちで敵を倒すスタイルに変更。ジャンプもでき、瞬発力が向上。

ロボコップの動きも、旧作のロボットっぽいモーター的な動きではなく、スーツをきた人の動きそのもの。

圧倒的防御力で敵を制圧するスタイルから、アクションヒーロー的な戦闘スタイルに変更した結果です。

そのため、ロボコップの強さが正直よく分かりません。

映像を見ると分かるのですが、どう強いのか説明不足で映像的にも説得力がまるでないのです。

普通に倒せそう・・・・と思ってしまいます。

しかし、長所もあります。

真っ黒な装甲に真っ黒な専用のバイク。正直ちょーかっこいいです。

バイクに乗っているリメイク版のロボコップは本当にかっこよく、旧作でもバイクシーンはありましたが、本作の方が圧倒的にスタイリッシュです。

⑤ロボコップになってしまった悲しみがまったく伝わらない

旧作ロボコップは生前の記憶がありませんが、次第に記憶が回復し、絶望と復讐心が現れます。
ダースベーダー並みの全身鎧でとても人の生活を送ることができません。

その悲しみが強く伝わってくる映画でした。

では、本作はどうでしょうか?

黒の姿になってからただのパワードスーツにしか見えず、家族とも普通に合うだけの見た目は残っています。むしろ、ロボットになってかっこよくなったお父さんにしか見えない所が少し残念です。

そもそも、本作の主人公は記憶を失っていません。重傷を負ったけが人。

それがかっこいいロボットとして復活しても悲しみが伝わるはずがない。

⑥サウンドトラックが全くダメ

旧作のロボコップは流れるテーマソングがとてもカッコよかったです。
私は映画は音楽がとても重要だと考えています。映像、脚本、役者、そして音楽。
すべてが融合した芸術作品が【映画】だと考えています。

本作で流れる音楽はとても地味で、盛り上がりに全く欠けていました。

音楽に関しては完全に旧作の勝利です。非常に残念。

けれど、それは人それぞれなので皆さんでご確認ください。

⑦ロボコップの制作過程の描写がとても優れている

旧ロボコップに勝っているシーンの一つがここです。

旧作では、細かい開発経緯はあまり描かれることなく、実践に入りました。
けれど、本作はロボコップになるまでの過程がCG等を用いて事細かく描かれています。

実はこのシーンが一番の残酷シーンとも言えます。

主人公に残っている身体がごくわずかで、機械で繋がれて生命維持している描写はまるでダースベイダー。

そして、実践テスト

主人公の残酷で生々しい姿を描いたことは評価に値します。このシーンは完全の新作の勝利です。

⑧戦闘シーン等の映像は圧倒的

ED209との死闘シーンはまさに現代技術の勝利です。
旧作では絶対にできなかった戦闘シーンを本作では成し遂げました。

バイクからビルに突入するシーンは機動力のあるリメイク版ロボコップだから成し得たことです。

旧作では残念なロボットとして描かれていたED209が本作では最強レベルの兵器として描かれているのもかなり満足しました。

また、現代ロボコップは最新のテクノロジーで事件をさっさと解決していきます。
正直出来過ぎてはいますが、現代らいし演出で私は大好きです。

⑨終わり方のプロットの練り方の差

どちらも、会社の重役を殺めて終わりを迎えます。

旧作では、そこまでの流れが完璧と言わざるを得ません。では、リメイク版ではどうだったのか?

正直、微妙です。

ラストスパートまでにかなり展開が早く、テンポが良すぎた感が拭えません。

結末は同じでも、そこまでの流れのプロット力は圧倒的に旧作の勝利です。

旧作の良さについてはここではあえてお話ししませんが、オリジナルを超えることは叶わなかったと結論ができました。

⑩なぜ、デザインを黒にしたのだろうか?

ロボコップファンなら本作の前半のロボコップのデザインの方が良かったと思うはず。

実はこれは仮説なのですが、私が大学時代ロボコップのリメイク制作が決定しました。
その時の監督のインタビューで「ロボコップ」はよりダークに描くと言っていました。

その結果、内容がダークになったのではなく、デザインがダークになっただけでした。

けれど、監督のダーク発言には理由がありました。

それはクリストファーノーラン版バットマンシリーズです。

特にこの時、バットマンビギンズやダークナイトが大ヒットし、ヒーロー物にダーク要素が不可欠とお思われていた時代でした。

まあ、その影響かは仮説にすぎませんが、私個人としては黒より灰色のメタリックカラーの方が良かったです。

総括

リメイク版ロボコップには他にも有名俳優による企業びいきの司会者のシーンがアメリカに対して強い皮肉が込められていたりと、旧作にはなかった描写が多く、良くも悪くも挑戦的な作品だったと思います。

どちらの映画がいいのか? 私には決めることはできません。
上記の投稿では、旧作を褒めている内容が多かったですが、それは数であって総合的な判断材料にはなりません。リメイク版のロボコップは旧作に対し、リスペクトはしていても根本的には別作品と捉えるべきです。
どちらが優れた作品か? それは皆さんで判断すればいいと思います。

ご視聴ありがとうございました。

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