どうも。
東北の寒さに恐怖する毎日を送っている野川太郎です。
今日は前作ロボコップの続編、【ロボコップ2】について語っていきます。
前作のロボコップの映画批評は下記のとおりです。
あらすじ
前作同様に犯罪にまみれたデトロイトシティ。
デトロイトでは現在、新型違法薬物【ヌーク】による薬物汚染が深刻化。
また、警察官の大半もストライキに入っており、治安の安定には程遠い。
そんな中で、オムニ社は新たなロボコップを製造するがすべて失敗。
主人公であるロボコップは【ヌーク】製造にかかわっている組織を発見。
組織のボスであるケインと対峙するが・・・・・
そして、新たなロボコップが登場する。
こんな感じです。
デトロイトは今日も犯罪で溢れている設定がいつも泣けてきます(笑)
ここからは完全ネタバレで映画考察していきますので覚悟してください。
相変わらずの残念な犯罪都市、デトロイト
本作も前作の残酷さを見事に継承した映画となっています。
登場開始から、デトロイトの治安の悪そうな描写から犯罪を過剰な演出で描いています。
そこへ、ストライキ中でありながらも一台のパトカーがやってきます。
けれど、悪党たちはかなりのクズです。
パトカー一台相手にミサイルで攻撃してしまうのです(笑)
当然パトカーは破損。警官は即死です・・・・・普通なら。
そのパトカー内にいたのは他でもない主人公ロボコップでした。
この登場の仕方はとてもカッコいい。
破損した扉から足を地面に踏み出すシーンは、ロボコップの存在感を示した名シーンと言えます。
燃えるパトカーから出てきたロボコップ。
彼は当然、犯罪者に対し容赦はしません。
数秒で蹴りがつきました。
このシーンでの悪党たちの絶望感は半端ではありません。
同情すら覚えてしまいます。
けれど、それだけでこのシーンが終わるほどロボコップは優しくはありません。
悪党たちの所持品から新型違法薬物【ヌーク】が見つかりました。
ロボコップは彼らを暴力と言う名の尋問で製造場所の情報を入手します。
前作と本作は監督等の制作陣が変更されており、ロボコップ自身の描き方が異なります。
本作のロボコップはとにかく性格が冷たい。
台詞も少ないため、名言もかなり少ない。
前作と比べてかなり感じが悪いロボコップ(アレックスマーフィー)として描かれている所に私は違和感を覚えました。
※ここが欠点かどうかは人の好み次第です。
そして、ヌーク工場を一人目指すロボコップ。
彼の正義感が増すほど、暴力性が高まるのが本作
ドアを悪党もろとも拳で仕留め、一人堂々と敵陣に乗り込むスタイルはロボコップにしかできない演出で、かなりの評価ポイントです。
※他のアクションものは必ず隠密行動をしますから。
工場で働ている人達の描き方も見事。
大型の銃を所持した悪党からただ労働をしているマイノリティ人種の方々を生々しくリアルに描いています。
敵のボスであるケインと言うキャラクターもまた素晴らしい。
彼も見事なまでにクズで、命乞いを車内でしている社会的弱者の女性を銃であっさり殺してしまう非道は前作の悪党たちに引けを取らないということです。
しかも、ヌークを製造しているボス、ケイン自身も薬物中毒者と言う設定もまた皮肉が効いています。
ケイン達幹部を逃してしまうロボコップですが、その工場自体を制圧には成功し、このシーンは終わります。
ロボコップ2の製造に失敗し続けるオムニ社
警察官のストライキもあり、新たなロボコップを製造したいオムニ社。
殉職した警察官でロボコップを製造しますが、どれもダメ。
ロボコップの素材となった警官たちの精神崩壊等によりどれも徒労に終わってしまいます。
このシーンも個人的に気に入っています。
ロボコップの失敗映像がグロテスクとユーモアを掛け合わせた描写を交えて描かれており、前作に負けない残酷描写は健在でした。
このシーンの真の意味は、ロボコップは誰にでもなれるものではないことを意味しています。
つまり、主人公アレックスマーフィーだったからロボコップになれたということ。
彼の場合は生に対する執着があります。
家族のことや正義感。悪を裁こうとする責任感の強さ。
このシーンで主人公の内面を深く説明できており、かつ残酷描写もしっかり描かれており、評価するポイントです。
ロボコップの完全敗北
このシーンはロボコップ屈指のトラウマシーンと言えます。
前作に負けないクオリティーを証明した証です!
ケインたちの本拠地が分かったロボコップは一人で向かいます。
ヒロインは怪我をし、他の警官たちはストライキの真っ最中。
だからこそ、ここでロボコップは完全に敗北するのです。
ケインたちはロボコップがやってくることを事前に察知しており、その対策をしていました。
一方のロボコップは基本的にプログラム通りに動くしかありません。
ロボコップのウィークポイントである右手首の間接部に強力な銃を使って狙撃し、見事銃を保持する右手首を破壊することに成功します。
ロボコップの武装はオート9と呼ばれる銃のみだったこともあり、攻撃力を完全に失ったところで今度は電撃攻撃を受け、内部機器にダメージを受けます。
私は幼い時にこのシーンを見ましたが、衝撃を受け、見事トラウマになりました(笑)
本作も視聴者に対して決して手加減をしない!
実に素晴らしい姿勢です。
しかし、本当のトラウマはここからです。
戦闘不能状態のロボコップに対し、彼らは、ロボコップの解体ショーを始めるのです。
ロボコップが足から順番に切断されていく光景はとても生々しく、残酷と言わざるを得ません。
前作でアレックスマーフィーがハチの巣にされたシーン以上の名シーンがここに誕生しました。
そして、解体されたロボコップはあろうことか、ストライキ中の警官たちの前に放置されるのです。
このシーンは絶対に映像で鑑賞することをおススメします。
※トラウマになる可能性があるので注意は必要です!
ここまでくると、悪党たちの変態性を感じてしまい、このデトロイトと言う町に恐怖を覚えます。
薬物依存症のリーダーに敗北したロボコップ。
しかし、この敗北をきっかけに逆転の一手が生まれることになるのです。
麻薬王ケインの敗北
ロボコップの改修が行われる中で、オムニ社は人間の感情が入ったロボコップを面白く思っていません。そのため、修復時にプログラムを書き換えてしまったのです。
ロボコップはその後奇行に走ります。
この奇行シーンも見物であり、何かを皮肉っているような描写でした。
けれど、ロボコップであるアレックスマーフィーがそのプログラムを自らの手で消去するため、高圧電流を自ら浴びることになります。
その光景をみたストライキ中の警官たちは彼を救おうとするのです。
ロボコップの敗北から復活にかけてのストーリーで最も重要だったことは警官たちの意識の変革でした。
一人で敵に立ち向かい、敗北し、電流を浴びてまで正義を貫こうとする彼を見た警官たちはストライキを辞めます。
そして、ロボコップと共にケインの所へ向かうのでした。
味方のいるロボコップは最強です。
前作の工場襲撃と同様に容赦なく敵を銃殺していきます。
ケインを追ってロボコップは彼のトラックにしがみ付き、バイクまで奪ってケインを地の果てまで追っていくまではまさに怒涛の展開であり、名シーンと言っていいでしょう。
ケインはロボコップに敗北することになります。
けれど、組織自体は残っており、幹部の一人であった天才少年(ロボコップの右腕を破壊した人)が牛耳るという展開へ。
天才少年という突飛なキャラクターですが、彼は頭脳明晰でしかも麻薬中毒者でもない。
完全にビジネスとして割り切っている狡猾な少年です。
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ロボコップ2号機がついに誕生!
ロボコップの適合者の条件は生に対する執着心です。
その条件にまさかのケインが該当してしまい、瀕死の重傷だった彼はオムニ社の女性社員によって殺されてしまいます。※オムニ社の社員はクズしかいないのですかね?
麻薬中毒者の脳みそを移植するシーンまでしっかり描かれています。
※とことん手加減を知らない制作陣に脱帽です!
麻薬中毒者をロボコップ2号機にするという発想も中々クレイジーです。
けれど、これだけで終わらないのが本作。
彼はすぐに完成されますが、彼はアレックスマーフィーとは違います。
正義感はありません。そこ代わり、麻薬中毒者ゆえの薬物による執着心が異常です。
オムニ社の女社員の方もそのことを熟知しており、ヌークをエサにして彼を従わせえるという設定には驚かされるばかりです。
これがロボコップ2の魅力の一つであります。
ロボットになりながらも、ヌークと言う違法薬物を求めてしまう人間の性。
彼はロボコップ2号機として、最初の任務に就きます。
それはデトロイトの市長に資金援助しょうとする組織を壊滅させることでした。
オムニ社に逆らうことができない市長。その彼に資金提供をする存在はオムニ社にとって面白くない話です。
この任務ができるのはオリジナルのロボコップではなく、ロボコップ2号機なのです。
オムニ社は本当の意味で理想とするロボットを開発することができたということです。
※この会社そのものが中々のクズ!
ロボコップ2号機はさっそく市長たちの取引現場へ急行。
しかし、市長を資金援助しようとしていたのはかつての麻薬組織の仲間たちだったのです。
天才少年が率いる麻薬組織VSロボコップ2号機との対決が開始されます。
前作のED209といい、ロボコップ2号機の映像が実に素晴らしい。
この当時は最新のCGが無かったため、コマ撮りによる合成が行われていました。
その動きや映像は本物そのもの。
CG映像にまったく引けを取らない完成度です。
ロボコップ2号機は最終的には市長以外を全員皆殺しにしてしまいます。
その戦闘シーンもまた、圧倒的な火力と防御力をもって一方的な暴力によるもの。
ロボコップと同じ戦闘スタイル。
けれど、限りなく人型から遠ざかったその姿は異形なものであり、ロボコップとは似ても似つかない見た目をしている所に私は感動を覚えました。
これは完全に比喩であり、人であり続けるロボコップ、人でなしでありオムニ社の飼い犬と化したロボコップ2号機との対比を強く感じさせるデザインとなっています。
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ロボコップ2号機の禁断症状
主人公ロボコップが現場に駆け付けると、すでにロボコップ2号機は去っており、天才少年一人が瀕死の状態でいるのをロボコップが発見します。
主人公やヒロインを苦しめた天才少年でしたが、結局は大企業により粛清され、自身の敵でもあるロボコップに看取られながら生涯を終えるシーンは感慨深いものがあります。
そして、真相知ったロボコップはオムニ社へと向かいます。
一方オムニ社はロボコップ2号機を世間に披露している最中です。
しかし、社長が取り出したヌークを見て、ロボコップ2号機は反応します。
プログラムで動くとはいえ、人間の脳みそが移植されたサイボーグ。
ロボコップと同様に人間的な行動をすることになります。
それは、【麻薬中毒者による禁断症状】です。
ロボコップ2号機はヌークがほしくて暴走を開始します。
警察隊の攻撃すらびくともしないロボコップ2号機。
ロボコップも攻撃力の高い武器で応戦しますが、自身の発展機である2号機にかないません。
屋上から二人で落下し、爆発に巻き込まれますが、ロボコップ2号機は暴走を辞めません。
結末(これ以上のネタバレを希望しない方は注意)
ロボコップ2号機は暴走を続けます。
警官たちを何十人も虐殺していく光景はこの映画の制作陣の覚悟の現れを感じさせます。
このままでは勝てないと悟ったロボコップは奇策に出ます。
新型麻薬ヌークを利用することです。
ロボコップはヌークを囮に使用して、ロボコップ2号機の後頭部へ接触。
実に分かりやすいハッチをこじ開け、そこからケインの脳みそを抽出し、地面にたたきつけてるという結末です。
このシーンも実にグロいです。そして、脳みそが潰され苦しんでいるロボコップ2号機の光景もまた生々しい。
総括
本作は、前作にあった残虐性を更に拡張させた傑作映画です。
けれど、その代わりに主人公のロボコップとしての葛藤の描き方が少し薄かった印象がありました。
また、前作とは違い、かなり感じが悪いロボコップになっており、性格が変わったのか?と思ってしまうくらいの違和感を覚えたことも事実です。
ですが、それすらも味に変えてしまう本作。
覚悟のある方はぜひ、本作を視聴してください。
今日はありがとうございました。
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