塾講師の日常④ ジャイ子

塾日記

どうも。

休日にブログをしてのんびり過ごしている野川太郎です。

今日は2017年の夏季講習前から私が個別指導をしていた女子中学生【ジャイ子】について語っていきます。

前回の塾講師の話は下から

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ジャイ子の圧倒的存在感

夏期講習が開始される前、一人の女子生徒が入学してきました。その生徒はとても大柄な体系・濃い目の肌の色をしている反面、顔から染み出ている負のオーラを隠しきれない生徒でした。

私は正直、彼女の身体的・精神的な現状の両方を心配しました。しかし、彼女のその疲弊した姿は学校から来るものでした。

私はその子を【ジャイ子】と呼ぶことにしました。それは見た目と能力がとある漫画のそれとそっくりだったからです。※ただし、本人や他の人にその呼び方を一度もしたことはないのであしからず

彼女は自身の中学校 通称【課金中】を心底嫌っており、教師だけではなく人間関係にもうんざりしており、その中学の人間関係から離れるには地元の進学校に行くしかないと判断し、塾の通うことになりました。

ジャイ子の能力値

彼女は典型的な文系タイプの生徒でした。そのため、理数が基本的に苦手。特に数学は基本計算からやり直しでした。

しかし、一方の彼女のすごい能力がありました。それは文才です。

夏休みや冬休み等の長期休暇で必ず学校からの課題に「読書感想文」が宿題されます。そして、多くの生徒がその課題に苦戦した経験があるはずです。※例に漏れず私もです。

ほとんどの生徒は読書感想文に苦戦し、休みの最後の方に悩まされることがスタンダード。けれど、ジャイ子は違いました。ジャイ子は逆に読書感想文を休暇の最初に終わらせる珍しいタイプだったのです。

現に読書感想文等の作文コンクールで表彰・発表した経験を持つジャイ子。

彼女は読書が好きで何より、「言いたいことたくさんがある」生徒だったということです。

けれど、読書感想文の能力=国語力 ではないことを彼女は後に示してくれました。

彼女の国語の実力テストは平均前後。そして、私が一番驚いたことは文を読み、自身の意見を文字数制限内に記入する問題を見事に外していたのです。

その理由は至って簡単でした。
それは彼女が問題文の意図を理解していなかったからです。

つまり、彼女は誰よりも文字を書くことに長けている一方で読解能力に難ありの生徒であり、少し思い込みが激しい芸術肌タイプであると私はこのとき確信しました。

ジャイ子との指導内容

基本的には数学の基礎計算の復習から行いました。学校の宿題等のサポートをはじめ、別に問題を解かせ、集中力が切れたら世間話をする。それを繰り返しての勉強指導。

その時の彼女の実力テストの点数が200点前後と、進学校でやっていくには到底足りない点数でした。ですので、彼女が最も苦手とする数学、同時に実は伸ばしやすい数学を中心に指導していきました。

彼女は基本的に私の前ではよく話をしてくれ、陰キャにならない生徒でした。経験上無口な生徒は成績が伸びないことを私は知っていました。分からない所を私に相談し、私がそれに対処する。これが理想的な指導方法でした。

この2017年は個性あふれる生徒が多く、今までで一番楽しかった年でもありました。その代表としてこのジャイ子が挙げられます。

夏季講習には参加せず

彼女が集団授業が苦手な生徒です。その姿は中学時代の私とよく似ていました。自身の学校を嫌い、憎んでいる姿はかつても私を思い出させました。

ジャイ子には夏期講習の個人指導追加を勧めました。そのため、この段階で夏期講習の集団授業で集まっていた【アベンジャーズ】たちとの接点はありませんでした(笑)

もし、ジャイ子がここに加わっていたらもっと面白いことになっていただろうなとその当時は思いましたが、それは彼女のためにはなりません。集団授業ではどうしても生徒一人一人に合わせた指導ができないからです。特に彼女は個別でなければ対応できない典型例の生徒。

また、進学校の倍率がまだそこそこあったこともあり、彼女の学力では落ちる可能性がありました。どうにかしてこのジャイ子を進学校に入れたいと私は心底思ったものでした。

そのため、彼女には個別指導の追加を勧めることにしました。

ジャイ子の人間関係や課金中が面白過ぎる

まず、ジャイ子の友人関係がとても面白かった。
課金中の友人で、実業高校に進学する数学特化型の女子生徒通称【深海魚】
そして、課金中学校から課金高校に進学するやせ型で血圧の貧弱な女子生徒【吸血鬼】

3人は互いの女子生徒でありながら、その名前で呼び合っている変わり者集団。
通称【三奇人】と自称していました。

この【三奇人】という単語は何かのネタらしいのですが、詳しいことは分かりません。けれど、ジャイ子曰く、この自称で彼らは学校生活を送っているらしく、女子生徒にしてはこの自虐的なキャラクターはなかなかレアだなと私は思いました。

まあ、変わり者ゆえに課金中学校に居ずらいことは容易に想像がつきますが。

そして、その課金中学校ですがこの学校自体も中々ツッコミどころ満載でした。

ジャイ子の話によると、まず男女逆転現象が起こっているそうです。
どういうことかと言いますと、女子生徒は校内にスルメイカを持参してほおばり、男子は手鏡を持参している乙男が多いらしいのです。

今の時代、男らしい女らしいという考え方が古いことは分かっていますがそういう話を聞くとやはり面白い。

女子生徒がより男らしく、男子がより女子らしいそうです(この時点での話)

また、この中学を課金中学校と呼んだ理由は、ソーシャルゲームに対し平気で課金をする生徒がいるらしく、それも十万単位以上だとか。

指導中の休憩時間でジャイ子の【今週の課金中の出来事】話を聞いた際、三奇人の一人が軽いいじめに遭ったそうです。けれど、全く気にしなかったからしくすぐにいじめが収まったそうな。

また、この当時は某国からのミサイル警報が多く、課金中の生徒たちは意外とビビりらしく、某国の将軍様からのミサイルに勝手に恐怖していたとか。

生徒と仲良くなりすぎる弊害

ジャイ子は口が基本的に軽い生徒です。また、彼女が塾に通っていると聞いた課金中の生徒は驚いたらしく、担当者である私の噂が勝手に広まったそうです。
ジャイ子曰く
私は「魔法使い、人間じゃない、イケメン、金髪、帰国子女」と勝手な噂を立てられていたそうです。
彼女と親しくなり過ぎた結果、私の個性が強すぎたこともあり、会ったことも無い課金中の生徒から勝手な妄想を抱かれる結果になりました。
ジャイ子という個性の塊の変わり者を指導できる塾講師は何者だ?くらいに思っていたのでしょう。

地元での噂と言うのは真実・嘘問わず広まるものだなぁと実感した瞬間でした。

今後もジャイ子についての話は続きます。お楽しみに

つづく・・・・

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