どうも。
ストーブの灯油切れを常に気にしている野川太郎です。
今日は2017年に指導した生徒ジャイ子の高校受験までの死闘を投稿していきます。
前回の内容は下記
ジャイ子「先生は優しいけど鬼だよ」発言
生徒と親しくなりすぎると生徒になめられます。それはジャイ子も例外ではありませんでした。私は学校の教師のようなきれいごとは言いません。それがジャイ子には受けていました。そのため、彼女は次第に調子に乗り始めました。
ある日、ジャイ子が課金中の同級生に対し、私のことをこういったそうです。
「先生は優しいけど鬼だよ」
と。
この言葉の経緯として、私が彼女の能力にあった問題を徹底的に解かせていたことが理由の一つです。この町はお世辞にも勉強に対する意識が高いとは言えませんでした。私の指導方針は間違っていません。むしろ、彼女にとっては足りないくらいです。
全国的な学力と比較する術を知らない田舎の中学生の末路とはこんなものです。地元でしか自身の学力をはかることができないジャイ子は、指導担当の私が厳しいと思いこんでいるだけでした。
それがとても残念で仕方がありませんでした。初めて出会った時の強い意志はもうそこにはありませんでした。自身の勉強不足を本質的に理解できていない。
けれど、彼女の言葉のセンスはずば抜けており、この時の私は笑ってやりすごすしかありませんでした。彼女の辛口は私にとって結構なツボだったわけです。
ジャイ子、実は彼氏がいる発言
ジャイ子から「彼氏がいる」と聞いた時は驚きました。その理由は、基本的に根暗で辛口なことをいう典型的な陰キャのこの子に彼氏がいたことに驚いたのです。
けれど、私は半信半疑でした。塾講師をして長い私の経験から、生徒は自身の出来事を誇張して言うからです。ですので、表向きはジャイ子に彼氏がいると信じ、裏では疑っていました。けれど、真偽はどうでも良かった。
問題は、学力です!
「彼氏作る暇があるなら勉強しろ!」
これが私の言葉でした。
学生が恋人を作ること自体、私は反対しません。本人たちの自由です。
恋人がいるから勉強にやる気が出るのであれば、私は肯定したいくらいでした。けれど、彼女からそのようなエネルギーを感じませんでした。まるで自身のステータスを上げたいために私に彼氏の話をするのです。彼女のトークの仕方が面白いので、休憩中に聞き入ってしまったことがありました。
けれど、肝心の勉強に関してはサボっていることが丸わかりで彼女の口から彼氏の話をされるとき、正直痛かったというのが本音でした。
彼氏がいてもいなくてのいいから、頼むから勉強してくれよ!
これが私の本音です。
また、彼女の親友たち通称【三奇人】の二人、深海魚と吸血鬼にも恋人がいることが判明し、私は驚きました。
「よくもそう簡単に恋人が作れるねぇ・・・・・」
それが私の感想でした。
彼ら3人の三奇人たちは私にとって変わり者集団であり、一般の生徒とは一線を画していると思っていましたが、思っていたよりも普通の生徒と変わらないんだなぁ・・・と少しがっかりしました。
これは完全に私の勝手な思い込みであり、生徒は人間。ただの中学生であることを完全に忘れていた私の落ち度でした。
ちなみに、ジャイ子の彼氏は地元にはおらず、別の町に住んでいるらしく、課金中の一つ上の先輩だそうです。※正直、この話が非常に設定くさくて私は信じていませんでした。
ジャイ子、受験が近づき勝手に鬱状態になる
受験の日が次第に近づいてきました。彼女の実力テストの点数は徐々に伸びてはいたのですが、点数自体は芳しくありませんでした。
そして、受験日が近づいてくる中で彼女は次第に不安に駆り立てられていきました。※要はメンヘラ化
普段、強気で同級生の課金中の生徒たちを見下している意識高い系のジャイ子でしたが、不安でどうしようもありませんでした。数学の指導をしていても恐怖で彼女の思考が止まることもしばしば。
ちなみに、数学の強い深海魚は実業高校に。吸血鬼は課金高校へと進学予定。その高校ではよほどのことが無い限り落ちることがありませんでしたが、進学校を目指していた彼女は自分だけが落ちると恐怖していたのです。
私は正直失望しました。口だけの女子生徒だったんだなぁ・・・と
これには理由があります。
実は地元の進学校の倍率が1倍を下回っていたからです。つまり、よほど何かしない限り、落ちる生徒はいないことを意味していました。
ジャイ子は勝手に不安に駆られていましたが、倍率が1倍を切っている状態で落ちることはありません。試験中に途中退席したとか、素行問題でもない限り確実に受かるのです。
けれど、不安に駆られ、合理的な判断ができていないジャイ子は私のとって、滑稽でしかありませんでした。「この子は数字が読めないのかな・・・・・」と私は呆れていました。
ジャイ子にその説明をしたのですが、それでも彼女は安心できてきませんでした。
私もそうなのですが、他県では倍率が1倍を軽く超える高校に挑む生徒が大勢います。その中で競争率が無い状態で進学校に行けることを本当は喜ぶべきなのです。けれど、地元しか知らない【井の中の蛙】と化したジャイ子にとって私の正論・真実は通じませんでした。
ジャイ子、高校受験の結果は・・・・
受験結果は無事に合格でした。まあ、当然ではありますが・・・・
現金なジャイ子はとても喜んでいましたが、私は素直に喜べませんでした。
その理由の一つは入学できて当然の倍率だったことです。出来レース状態の中、好きな高校に入れるこの状況に違和感を覚えずにはいられませんでした。
もう一つの理由として、彼女の受験点数でした。実は今までの実力テストと比べても過去最高点数を彼女はたたき出したのです。そのことは素直に喜んだ私でした。けれど、それでも点数自他は悪いのです。
つまり、数年前の進学校だったら、彼女は普通に落ちていたことになります。けれど、低い点数で合格してしまった彼女はこれからの高校生活の中で苦労が絶えないことを意味していました。
この進学校は300点以上を取っていないと、その進学校に入学してからの勉学がかなりキツイことを私が知っていたからです。
不安はこれからも続くことになりましたが、ジャイ子の前では「おめでとう」と作り笑顔で喜ぶ演技をしました。※最低ですね、私は
その後・・・
彼女は塾を続けることになりました。もちろん、担当は引き続き私になります。彼女の学力の低さは誰よりの知っていたので、高校に入ってからどの教科でどの内容で苦しむか、手に取るように分かりました。
ジャイ子のと指導関係はまたつづくことになりました。
けれど、私にはあまり時間が残っていなかった。それは、私がオーストラリアのワーキングホリデーへ出向く日が近づいていたからです。このことはまだ誰にも話していませんでした。
つづく・・・・
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