どうも。
共通テストの英文読解に苦戦している野川太郎です。
今日は、シン・ウルトラマンの映画を考察してみたいと思います。
ファンサービス旺盛の映画
本作は、昭和的演出を令和に持ち込んだ映画であると考察しました。
上映開始からいきなり、昭和的な演出がいい意味で露骨にされており、初代ウルトラマンファンが喜ぶしかない演出となっていました。
昭和型のテロップや音楽はまさに、制作陣の【ノスタルジー】もしくは【センチメンタル】を感じざるを得ませんでした。
仮面ライダーネタを使うなら、【令和で生まれた昭和作品】
昭和テイストでありながら、映像技術はまさに令和。
このギャップが実に興味深く、序盤から心奪われた自分がいました。
また、懐かしい怪獣や設定も失われておらず、ウルトラマンで育った世代が一番楽しめる作品として仕上がっているところもかなりの評価ポイントです。
けれど、それだけで終わらないのが、令和で生まれたウルトラマンです。
昭和テイストの中に、究極的なリアリティが埋め込まれている
本作は単純に昭和テイストで映像化した作品ではありません。
昭和の特撮作品には【リアリティ】が不足していました。つまり、ツッコミどころというやつです。
本作は、樋口・庵野というガチ勢たちが制作しています。つまり、非現実的なことに対して現実的に対処する演出が組み込まれていることです。
これは映画【シン・ゴジラ】でも同様の演出がなされています。
本作は怪獣が日本に本当に現れた時、どのように軍隊や政府が対処するかがテーマの一つです。
シン・ゴジラでは、日本政府の弱腰対策を皮肉を込めて演出されていましたが、本作は全く対照的に描かれています。
怪獣対策が万全で、主人公たちと自衛隊たちが見事に連携できているところから話が始まります。
つまり、シン・ゴジラの現実的な演出は受け継いでいますが、本作は政府が少しだけIQが高めで設定されているため、グダグダ的な演出がありません。
とんでも兵器がない状態でいかに巨大怪獣を倒そうとするのかを見事に描いている本作。
また、話がかなりスピーディーに進むので退屈するスキがありません。
ここは映画を実際に見て判断してください。
前半は昭和テイスト ・ 後半はエヴァンゲリオン
本作は昭和ウルトラマンの小ネタがふんだんに使われていますが、物語の後半、音楽や映像が急に【エヴァンゲリオン風】に変わることに驚きました。
「あれ、急に人類補完計画が発動したのかな?」と私は映画館で思ってしまうほど露骨でした。
ウルトラマンネタを使いながら、雰囲気をエヴァンゲリオンにしてくるあたり、狙っているのかたまたまなのか制作陣に聞きたいです(笑)
個人的には、この演出はありですし、ファンでなくても特に違和感はないはずなので心配ありません。
ウルトラマンの映像クオリティーは完璧
本作はリアル思考です。
そのため、いかに怪獣やウルトラマンを本物に見せるかが勝負です。
特撮特有の「着ぐるみ感」をどれだけ排することができるか?
結論から言えば、本作はCG技術の向上もあり、生物感あふれる映像美となっていました。ことにウルトマランに関しては、実際に着ているのか、完全CGなのか分からないくらいの出来です。
バトルシーンもかなり凝った映像作品になっています。
ウルトラマンは基本的にはプロレススタイルの戦闘を行い、必殺技(ビーム系)で止めをさします。
本作もそれをしっかり守っており、なおかつ着ぐるみ感は一切でていないすばらしい出来となっております。
本作の裏テーマは政治
本作は、怪獣とそれと戦う知性を持った巨人。そしてそれに対処する政治。
リアル思考の行きつく先は結局のところ、政治です。
本作は巨人(ウルトラマン)やその他の生物たちとどう、政治的に向き合うか?がテーマの一つとなっており、政治の勉強になるくらい分かりやすいです。
自分が総理大臣だったらどうしようかな?と考えさせられる内容となっております。
本作の問題点
本作は今年の傑作映画になるべき作品であると私は考えますが、それでも欠点はいくつかあります。
ラストシーンがあっさりしすぎている
本作は、後半になり、地球の危機的状況へと落ちていきます。これに対し、人類は英知を集め対応しようとするシーンがあります。けれど、正直あっけないというのが私の感想です。
ここがシン・ゴジラに完全に負けている所です。
シン・ゴジラは「とんでも兵器」に頼らずに人類の英知と科学、チームワークでゴジラと決着をつけます。けれど、本作はその演出があまりに弱い!
え、これだけ? というのが私の感想でした。
この最後のシーンさえどうにかなれば、シンゴジラを超える傑作になったかもしれません。
そこが非常に残念。
退屈しない映画ですが、少しもの足りないが私の感想です。
カタカナ文字を使いすぎ問題
ウルトラマンはSF映画であるため、同時に専門的すぎる用語が多数登場します。理系のキャラクターが専門用語でいろいろ話すのですが、正直理解に苦しみました。
数学や物理・科学の知識にプラスしてSF系のネタを良く知っていないと理解できないやり取りがあり、少しマニアックな映画でもあります。
庵野さんがつくったエヴァンゲリオンも専門的かつマニアックな用語をよく使っていて、万人には理解できない作品でしたので、その名残が本作にも出てきてしまったのでしょう。
とはいえ、その用語が分からなくとも楽しめる映画に変わりはありません。ただ、長所とは言えないのが私の意見です。
総括
ネタバレなしで考察したので、言えないことがかなりあります。私が述べた批評以外のことも本作では描かれています。キャラクターは全員魅力的でかつ個性的で、各々の苦悩葛藤も多く描かれている本作。
また、同時に「この戦いは消化不良だな・・・」などの改善点もあります。
けれど、総合的に考察すれば、映画館で見るに値する映画であると結論を出しました。
大画面で映画を視聴することを強くお勧めします。
ご視聴ありがとうございました。
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