どうも。
マーベル映画にハマりっぱなしの野川太郎です。
今日は、マーベル映画の中でのかなりの異色作、【モービウス】について考察していきます。
吸血鬼映画大好き映画人におススメ!
本作のあらすじをざっと説明すると、幼い時から難病を患っている主人公モービウス。長生きすることができず、しかも身体障碍まである不自由な体として生活を余儀なくされた幼少期。けれど、その知性で自身の病気を治療すべく、研究を重ね、ついに治療法を発見する。けれど、それには恐ろしい副作用があり、身体機能は人間を超えるが吸血鬼のように人の血液を欲する体になってしまったという流れ!
本作は、身体障碍での理不尽・短命による恐怖を前半部に設けられており、後半は治療による副反応で吸血鬼と化してしまい、身体の自由を得た代わりに人の命を奪わなければならなくなった人間の苦悩を徹底的に描いている本作。
吸血鬼の苦悩を描いた本作はまさに、現代版吸血鬼。吸血鬼としての苦悩ネタが大好きな人向けの作品となっており、私自身本作を楽しんでみることができました。
ここからは、本作の長所と短所についてネタバレ全開で語っていきます。
ヒーロー映画ではない! けれど、マーベル映画でもある
題名の通り、本作はヒーロー映画ではありません。
本作の面白い所は、主人公モービウスはすでに【ヒーロー】であるということ。
彼は難病を抱えており、杖なしでは歩行できず、しかも短命。けれど、トニースターク顔負けの知性で人工血液を開発し、多くの人を救っています。もし、これが現実なら彼は間違いなくノーベル賞確実でしょう。
つまり、彼はすでにヒーローであり、他の作品との差はここにあります。
ヒーローになる物語が主軸のヒーロー作品の対比ということ。
また別の味方をすれば、彼は体は不自由であるが、それ以外はすべて持っている【勝ち組】ということ。
けれど、彼は自身の病を治すことが目標であり、その治療法を確立し、自身で実験をすることに。
そして、彼は身体の自由を手に入れるが、血液を欲する吸血鬼になってしまう。
本作のテーマは、天は二物を与えず
彼は知性と身体の両方を欲した結果、人の命を奪う吸血鬼になってしまうという皮肉な展開。
結局、身体の自由を得ることが永遠に叶わないのが彼の宿命であり、かなりの皮肉が効いた本作。
異色作と言われる所以はここにあります。
彼は永遠に体に関して苦しみながら生きていくしかない・・・・・
ブラックユーモア全開ではありますが、本作はマーベル映画であることを忘れてはいけません。
マーベル映画とは【自分たちが招いた種を自分たちで刈り取ってヒーロー面する映画】のことです。
現に、彼の治療法のせいで、罪のない人が大勢死んでおります。
しかも、それに対して人を救うシーンの少なさときたら・・・・・
前半は、ノーベル賞も取れるほどの貢献をしたヒーローでありながら、吸血鬼となりヒーローから完全に陥落してしまう主人公を描いた【似非ヒーロー映画】となっております。
本作は本当にヒーロー色がまるでない映画となっております。
ヒーローにあるまじき、顔面偏差値の低さ!
本作の異質な点として、ヒーローとは思えない顔面偏差値の低さがあります。
これは主人公が吸血鬼として変身する際、顔面がまぎれもない吸血鬼となり、どうみてもただのモンスター。とてもヒーローの顔ではありません。
悪役面にしか見えない。また、敵キャラとなる存在も同様に吸血鬼なので、どちらもただの化け物。
ヒーローに見えない悪役面VS悪役面の悪役との構図が異質すぎます。
ただ、CGの技術が発達しているので、B級映画ほどではありませんが、かなりそれに近い感じがします。
主人公や敵キャラがどちらも男前の顔なため、どうしても変身した姿の方と比べてしまいます。すると、優秀な制作陣がB級映画の吸血鬼ものを取っている感じがどうしてもぬぐえません。
この演出は人を選ぶと思います。
圧倒的な戦闘シーンはさすが!
見た目が残念な主人公たちですが、戦闘シーンはかなり迫力があり、美しく、時に残酷さすら覚えます。
結論からいえば、【こいつらマジでバケモンで強すぎ!】
そう思わせるだけの大迫力の戦闘シーンの描き方に私は大満足でした。
ネタバレをするなら、彼らの戦闘スタイルは【圧倒的俊敏さ・パワー・そして噛みつき!】
クイックシルバー並みのスピードにハルク並みのパワー。そして、獣(吸血鬼)の鋭い牙!
マーベル映画でも上位を争うレベルの戦闘スタイル。
しかも、CGを駆使した流動的かつ圧倒的な美を感じさせるシーンとなっております。
映画館で見る価値は十分にありました。
バットマンよりもバットマンをしている!
上記での戦闘シーンのすばらしさを話しましたが、それ以外での感想として、
バットマンよりもバットマンをしているということです。
※バットマンを潰そうとしている(被害妄想)
ヒーロー映画の金字塔であるバットマン。彼はこうもりの姿(コスプレ)をしながら忍者に近い戦闘スタイル、金持ちにしか作れない専用の乗り物や武器がメイン武装。けれど、基本的には殴る蹴るの原始的な戦い方がベーシックであり、バットマンと言うくせに、空を飛ぶ機能がない。なにより、バットマン自身はただの人間であり特殊能力は皆無(金持ちが能力)
けれど、本作の主人公と悪役たちは本物の吸血鬼!
吸血こうもりのような行動をとるため、コスプレバットマンよりもはるかにコウモリに近い。
空だって飛ぶし、殴る蹴るは当たり前。というか基本的には噛みついて吸血する。おまけに野生動物もびっくりな俊敏すぎる動き。控えめに言って、バットマンでは到底太刀打ちできない戦闘能力を有しております。
モービウスは完全にバットマンの上位互換と言えるでしょう!
バットマンファンの私としては、逆にそこがよかった。バットマンのどこか嘘くささを本作が圧倒してくれたことに皮肉を込めて感謝です。
ファンサービスを忘れないマーベル映画!
また、エンドロールにはマーベル映画(特にスパイダーマンネタ)のキャラクターたちがサプライズ出演しており、次の物語への伏線が貼られています。
スパイダーマンファンの方なら感動しか生まれないでしょう!
最後までしっかりと視聴してください!
ストーリーが単調で誰でも容易に予想ができるストーリー展開
本作に弱点があるとするなら、ストーリーが単調すぎることです。
本作は、登場人物に限りがあるため誰が何をするのか展開が読めてしまうことが挙げられます。
本来B級映画として吸血鬼ものが存在するため、ストーリーがある程度決まってきてしまいます。
主人公が吸血鬼になってからの展開は予想通りすぎて、単調そのもの。
ああ、こいつがこの薬を打って化け物になるんだろうな~ きっとこいつが悪役になるんだろうな~なんて誰でも予想できる。
しかも、主人公とヒロイン、そして悪役(一人)。この3人がメインなので話の幅が広がらない。他のキャラクターがモブキャラでしかない点など、ストーリー展開がイマイチ。
お約束の展開なので、あの強敵どうやって倒すんだろう?というワクワク感があまりありません。
ここが本作の最大の弱点です。
総括
本作は、現代版吸血鬼を最高のクオリティーで映像化した映画となっています。
吸血鬼あるある的な映画であり、ストーリーにひねりがまるでない映画ではありますが、彼らの戦闘シーンや苦悩描写は見どころです。
ぜひ一度、本作の視聴をおススメします。
ご視聴ありがとうございました。
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